新しいモデルを作成する

Blue Prism® Decisionは、機械学習モデルベースのトレーニングを活用して、意思決定を自動化できるように設計されています。Decisionは非常に柔軟なため、組織の要件を満たすシナリオを作成できます。

判断モデルを作成する際は、以下を行う必要があります。

  1. モデルの定義 – タイトル、説明、判断タイプ、判断変数を追加します。
  2. モデルのトレーニング – 意思決定に使用されるルールとサンプルを追加します。
  3. モデルの調整 – モデルの判断の結果をレビューし、修正を行います。

以下の情報は、「払い戻し」という名前のシンプルな判断モデルの例です。このモデルは、入力された基準に基づいて払い戻しを行うかどうかを決定します。

モデルを定義する

  1. Decisionの[ライブラリ]ページで、[新しいモデルを作成]をクリックします。

    名前]アイコンがアクティブになった状態で[定義]ページが表示されます。

  2. 名前]タブで次を実行します。

    1. モデルの名前と説明を入力します。

      名前を入力すると入力した内容が反映され、アイコンの上にあるモデル名が変わります。

    2. 次へ]をクリックします。

    結果]タブが表示されます。

  3. 結果]タブで次を実行します。

    1. 質問]に、この判断モデルが回答しようとしている主な質問を入力します。例:返金は行うべきですか?

    2. 回答を数値にするかカテゴリーにするかを選択します。詳細については、「数値とカテゴリーの回答とは何ですか?」を参照してください。

    3. 選択したデータ型に基づいて、必要な値を入力します。例:

    4. 次へ]をクリックします。

    変数]タブが表示されます。

  4. 変数]タブで次を実行します。

    1. 新規追加]をクリックして、モデルに新しい変数を追加します。
    2. 変数名]に作成するモデルに関連する情報を入力します。これを質問として構成すると役に立つかもしれません。例:「このアイテムの金額は?」または「アイテムが返されましたか?
    3. 変数が数値変数であるかカテゴリー変数であるかを選択します。詳細については、「数値とカテゴリーの回答とは何ですか?」を参照してください。
    4. 選択したデータ型に基づいて、必要な値を入力します。例:

    5. 保存]をクリックします。
    6. 判断を行うために検討する必要があるすべての変数の定義が終わるまで、このプロセスを繰り返します。
    7. 次へ]をクリックします。

    確認]タブが表示され、入力したすべての情報の概要が表示されます。

  5. [確認]タブで、[次へ]をクリックしてモデルを保存します。

    [トレーニング]ページの[ルール]タブが表示されます。これで、モデルのトレーニングの準備が整いました。

数値とカテゴリーの回答とは何ですか?

モデルを定義する際、モデルの質問に対する回答と個々の変数は以下から選べます。

  • 数値] – 回答が数値であると定義します。範囲と増分の単位を入力する必要があります。[数値]を選択した場合に表示されるフィールドの例を以下に示します。

    次のフィールドで回答を定義します。

    • 低値] – 許容する最小値を入力します。
    • 高値] – 許容する最大値を入力します。
    • 増分値] – 予想される増分を入力します。

    範囲と増分値を入力するときは、生成される可能性のあるデータポイントの数を考慮してください。データポイントの数が多いほど、モデルのトレーニング時にDecisionでの情報処理に時間がかかります。たとえば、低値を0、高値を50,000、増分値を1に設定すると、50,000データポイントが生成されます。増分値を2に変更すると、生成されるのは25,000データポイントに減り、処理時間が短縮されます。

    変数の場合、Decisionには約70,000のデータポイント(すべての入力変数の合計)の制限があります。これだけ多くのデータポイントでは、モデルのトレーニング時にテスト用の質問を返すのに最大10分かかることがあります。

    結果の場合、Decisionには約100,000,000データポイントの制限があります。

    これらの制限を超えると、モデルはタイムアウトしてエラーが発生します。

    必要な情報レベルを提供しながら、処理時間を最小限に抑える範囲と増分値を設定する必要があります。

  • カテゴリー] – 回答がテキストベースのカテゴリーであると定義します。質問または変数に対する、有効な回答の選択肢を入力する必要があります。Decisionには、多数の定義済みオプションが用意されており、そこから選択できます。独自の回答も定義できます。[カテゴリー]を選択した場合に表示されるフィールドとオプションの例を以下に示します。

    回答の定義の際は、

    1. 次のいずれかを行います。
      • [値]フィールドの下にある定義済みオプションから1つ選択します。
      • ]に独自のエントリを入力し、[新規追加]をクリックします。
      • これらの方法を組み合わせる – 事前定義されたオプションを選択し、値をいくつか追加します。
    2. 必要であれば、[序数である]を選択します。回答値の優先順位は入力順に基づいて決まります。

    値を追加すると、フィールドの下のサマリーに表示されます。以下はその例です。

    これらの値は編集または削除できます。

モデルをトレーニングする

モデルが定義できたら、モデルのトレーニングの準備が整います。[トレーニング]ページを初めて開くと、[ルール]タブにモデル名とルールの質問が表示されます。

  1. [トレーニング]ページの[ルール]タブで、ハードコードされたルールを定義できます。ルールは入力変数の条件として定義され、他のすべての結果を上書きします。複数のルールを作成でき、作成順にルールが適用されます(最も古いものから)。

    ほとんどのモデルにはルールは必要ありません。モデルをトレーニングし、サンプルを作成することで、望ましい結果が得られます。特定の条件で常に真である絶対的な結果がある場合にのみ、ルールを追加します。

    ルールが必要な場合は、以下の手順に従います。必要ない場合は[次へ]をクリックし、ステップ2の[初期化]タブに移動します。

    1. 変数]で、定義する回答の変数を選択します。

    2. 適切な検証条件を選択します。値がカテゴリーまたは数値のどちらであるかによって、使用可能なオプションは異なります。次の値と比較して:

      =

      等しい

      !=

      等しくない

      <

      未満

      <=

      以下

      >

      を超える

      >=

      以上

    3. ]で、変数と検証条件に基づいて適切な値を選択します。

    4. 回答]で、定義した変数基準に基づいて、モデルの質問に対する適切な回答を選択します。以下はその例です。

    5. ルールを作成]をクリックします。

      [ルール]タブの下部にあるサマリーにルールが表示されます。

      ルールは最も新しいルールが一番上に表示され、最も古いものから適用されます。

    6. 他にもルールの構築が必要な場合は、このプロセスを繰り返します。

    7. 次へ]をクリックします。

    初期化]タブが表示されます。

  2. [][初期化]タブで次のアイテムを持つモデルを作成した場合:

    • カテゴリー変数の結果 – 各結果のサンプルの作成が求められます。これは、返される値をモデルが認識するために必要です。返される可能性のある結果値に対するサンプルが1つもない場合、モデルはこの値を予測できません。
    • 数値変数の結果 – モデルの初期化は必要ありません。[次へ]をクリックし、ステップ3の[教育]タブに移動します。

    初期化]ステップは、各結果につき1回のみ実行できます。[サンプルを作成]をクリックすると情報がコミットされ、選択した結果を編集できなくなります。値が正しく設定されていることを確認してください。

    カテゴリーモデルの場合:

    1. 表示された結果に対して適正になるよう、変数の値を調整します。例:

    2. サンプルを作成]をクリックします。

      値が保存され、新しいサンプル結果が表示されます。

    3. 新しいサンプル結果が表示されなくなるまで、このプロセスを繰り返します。
    4. 次へ]をクリックします。

    教育]タブが表示されます。

  3. 教育]タブに生成されたシナリオが表示されます。このシナリオには、次のように応答を指定する必要があります。

    精度]では、モデルが正しい場合の確率を示す割合がトレーニングデータに基づいて表示されます。サンプルを作成すると、この値は変わります。

    1. 適切な回答をクリックします。

    2. サンプルを作成]をクリックします。

      値が保存され、新しいサンプルが表示されます。

    3. 異なるシナリオをカバーするのに十分なサンプルを作成できるまで、このプロセスを繰り返します。作成するサンプルが多いほど、モデルの精度が高くなります。

      モデルのトレーニングに使用するサンプル数を決定する際には、モデルに含まれる変数のデータ型を考慮します。変数を持つモデルの場合:

      • 複数値の場合、最少のサンプル数は15個前後です。
      • はい/いいえまたは真/偽などの2つの選択肢を持つ値(バイナリ値)の場合は、値の組み合わせの数が少なくなるため、必要なサンプル数が少なくなります。たとえば、3つの変数がすべてバイナリ値である場合は、可能な組み合わせは8つのみです。

      必要に応じて、後でサンプルを追加作成できます。

      また、必要に応じて、生成されたシナリオを回答する前に変更できます。これには、以下の操作を行います。

      • カテゴリー変数の場合は、適切な値をクリックします。

      • 数値変数の場合は、フィールドに値を直接入力します。入力する値は増分要件と一致する必要があります。たとえば、増分が10に設定され、最小値が10の場合、18を入力することはできません。20を入力します。

    4. 次へ]をクリックします。

    [調整]ページの[尋ねる]タブが表示されます。これで、モデルの調整の準備が整いました。

モデルを調整する

モデルがトレーニングできたら、モデルの調整の準備が整います。選択した入力に対するモデルの予測結果をレビューし、必要に応じて修正します。[調整]ページを初めて開くと、[尋ねる]タブにモデル名、モデル変数、モデル予測、および予測の根拠となる基本情報(ルール、一致するサンプル、または類似サンプルの選択肢のうち最も近いサンプルとの一致に基づく判断)が表示されます。例:

[尋ねる]タブのフォーマットは、[教育]タブと似ています。[教育]タブでは、Decisionは自身が提供した変数値に基づいて結果を求めました。[尋ねる]タブでは、Decisionは設定された変数値に基づいて結果を提供します。

  1. [調整]ページの[尋ねる]タブで、モデルが予測した結果をレビューして修正する必要があります。

    1. 予測]で表示される変数値に基づいて、結果をレビューします。

      また、モデルの信頼度も表示されます。割合が高いほど、期待する回答をモデルが提供する可能性が高くなります。

    2. 予測]が類似サンプル([使用された参照を表示]をクリックすると表示)との一致に基づいており、その結果に同意しない場合は、[修正内容]に求める値を入力し、[修正を保存]をクリックします。

      一致するサンプルまたはルールに基づく予測は修正できません。

      ルールまたは一致するサンプルに基づく予測結果に同意できない場合は、モデルを再トレーニングする必要があります。以下を訂正する必要があります。

      • 特定のルール
      • ルールの順序。最も古いものから順に適用されます。
      • サンプル。この場合、[教育]タブで正しくないサンプルを削除し、新しいサンプルを作成する必要があります。
    3. 変数の値を変更し、上の手順を繰り返します。これには、以下の操作を行います。
      • カテゴリー変数の場合は、適切な値をクリックします。

      • 数値変数の場合は、フィールドに値を直接入力します。入力する値は増分要件と一致する必要があります。たとえば、増分が10に設定され、最小値が10の場合、18を入力することはできません。20を入力します。

    4. 十分な組み合わせをレビューしたと思ったら、[次へ]をクリックします。

    サンプル]タブが表示されます。

  2. サンプル]タブでは、モデルのトレーニング時に作成されたサンプルのサマリーを確認できます。以下はその例です。

    1. サンプルをレビューします。

      ページごとの行数]の値を大きくすると、1ページに表示されるサンプル数を増やせます。

    2. 必要に応じて[アクション]列の関連する削除アイコンをクリックして、古いサンプルや正しくないサンプルを削除します。

    3. 次へ]をクリックします。

    重み付け]タブが表示されます。

  3. 重み付け]タブには、サンプルを使用したトレーニング時にユーザーが提供した回答に基づいてモデルが評価した変数の重要性が表示されます。以下はその例です。

    デフォルト値の使用が推奨されます。ただし、必要に応じて以下を調整できます。

    1. 必要に応じて、[類似性による近隣の加重]を選択解除する。これは、デフォルトでは選択されています。

      近傍は、変数に対して入力された値と類似していると考えられるサンプルのサブセットです。このオプションが次の場合:

      • 選択済み – 提供された値に最も類似した近傍点は、他の近傍点よりも結果に大きな影響を及ぼします。
      • 非選択 – すべての近傍サンプルが結果に同程度の影響を与えます。
    2. 必要に応じて、[変数を均等に扱う]を選択します。これは、デフォルトでは選択されていません。このオプションが次の場合:

      • 選択済み – 各変数が結果に同程度の影響を与えます。
      • 非選択 – モデルは結果に対する各変数の影響を動的に決定します。これは、表示されるサマリーの重要性バーで示されます。
    3. 終了]をクリックします。

    これで、モデルを使用する準備ができました。

必要に応じて、いつでもモデルを再トレーニングおよび再調整できます。モデルのトレーニング回数が多くなるほど、モデルの精度と信頼性が高まります。

ただし、[トレーニング]ページの[教育]タブにある変数のすべての可能な組み合わせに対してサンプルを作成した場合、モデルの調整用のサンプルが作成できなくなります。